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2023.03.26#院長コラム花粉症は注射で治る?今年は、スギ花粉の飛散量が例年と比較してやや多いということもあり、2月上旬から現在に至るまで、花粉症の症状で来院される方が多くなっています。また、ヒノキ花粉の飛散もすでに本格化しており、症状が持続している方が多い状況です。そんな中、外来に来られた方から、以下のようなお話をお聞きすることがあります。「以前、注射を打って、花粉症は治ったはずなのに、今年、また症状が出た。」「前に別の病院で花粉症の注射を打ってもらっていた。今年は症状が強いから、すぐに打ってほしい。」「薬(市販薬)が効かない。注射が効くと聞いたから打ってほしい。」「自分は花粉症があったが、注射を打って治ったので、子どもにも打ってほしい。」いずれも、くわしく話を聞いたり、注射を打ったという病院に確認すると、「ケナコルト-A®」というステロイドの筋肉注射のことを言われている方がほとんどです(ケナコルト-A®についてはこちら)。「1回の注射で花粉症がよくなる」などと謳われているものはこの治療法である可能性があります。「ケナコルト-A®」は長く効くステロイド薬で、花粉症に対して使用する際には大量のステロイドをスギ花粉飛散時期に投与して数ヶ月効果を持たせようという治療法となります。1回の投与で症状を軽くできる方もいるため、手軽に見えます。では、この治療法はオススメなのでしょうか?結論は、「効果はあるが、重大な副作用もあるため、慎重に行うべき」という位置づけのため、この治療法はあまり推奨されておらず、ほとんどの耳鼻咽喉科では行われていないというのが実情です。当院では行っていません。その理由は、ステロイドの副作用です。1.易感染性(感染症にかかりやすくなる)や副腎機能不全2.注射部位の皮膚硬結・陥没3.糖尿病、高脂血症、高血圧4.胃・十二指腸潰瘍5.肝機能障害6.緑内障、緑内障7.精神症状(不眠やうつ)、全身倦怠感8.骨粗しょう症9.生殖機能障害、生理不順10.満月様顔貌、顔面紅斑など一般的にこのような副作用が出る可能性があると言われています。注射を打ったご本人でもなかなかわからないものも多く、一旦出現してしまうと治療が難しいものもあります。「ケナコルト-A®」の筋肉注射を1回行うと、注射部位からゆっくり継続して体内へ放出、吸収され、3~4週間程度連続で作用し続けます。しかし、たとえば注射から3日目に副作用が出たとしたら、、、一度注射してしまうと、体の外に取り除くことができないので、副作用は持続し、悪化してしまうことになりかねません。また、ステロイドの効果を遮断する薬も存在せず、薬が体から消えていくのを待つのみとなってしまいます。さらに、「どんな薬剤を打っているかさえも知らずに治療されていること」、「他の治療法と比べずに、1回で済むということだけで選んでしまっていること」も問題点です。当院では、鼻アレルギー診療ガイドラインに基づき、重症度に応じた治療を基本としています。本ガイドラインにおいて、ステロイドの筋肉注射はどの重症度においても推奨されていません。安易にステロイドの筋肉注射は行わず、重症度に合わせた適切な治療を行いましょう。⚠注意⚠ステロイド薬すべてを安易に怖がってはいけません。重症・最重症の場合は、短期間だけステロイド薬(セレスタミン®など)を使用したり、体に影響の少ない点鼻ステロイドを使用したりすることはガイドラインにも定められた適切で、効果的な治療法です。最後に花粉症やアレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は、内服薬や点鼻薬、外用薬、吸入薬など、様々な方法でつらい症状をコントロールし、健康な人と変わりない生活を送れるようにすることを目標にする疾患です。ただし、「治療」を続けておられる方の中には薬も使う必要がなくなり、治ったとしか言いようのない方がいらっしゃるのも事実です。しかし、それが治療によるものなのか、あるいは自然経過でそうなったのかについては根拠があるものはありません。そもそも、花粉症の症状に関しては、その年の花粉の飛散量によっても違いますし、その時の体調によっても違ってきます。治療法も様々あり、その方によって、どの治療法がよいのかも異なります。最近では副作用の少ない抗アレルギー薬が増え、薬の選択肢も広がっています。また、眠気がないという点では漢方薬も選択肢の1つです。その他、舌下免疫療法、抗IgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)、および手術療法など、当院では様々な治療法を組み合わせて治療を行っています。花粉症の症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。お問い合わせTEL0948-28-1122Web予約https://ssc8.doctorqube.com/aso-ent/
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2023.03.12#院長コラム【重要】アレルギー検査についての注意事項当院では2023年1月に最新のアレルギー検査機器であるドロップスクリーンを導入しており、導入当初から大変好評いただいております。詳細はこちら☞☞☞筑豊地区初導入!最新のアレルギー検査!!特に花粉飛散期には、多くの方が受診の際に検査を希望されます。以下の注意事項をご確認いただけますと幸いです。検査実施時間●ドロップスクリーンは検査が終了するまでに30分程度かかるため、診察時間終了間近に複数の方の検査は行えません。●検査をご希望の方は、午前中は12:45まで、午後は18:30まで/木・土は16:30までに受付をお願いいたします(ただし、時間内に受付をしていただいても、すでに検査が混み合っている場合には、後日改めて検査をさせていただく可能性があります)。●同時に多数の方の検査を行うことができないため、ご家族で複数人の検査をご希望された場合は、腕からの採血が可能な方には一般の採血でのアレルギー検査に変更していただくことがあります。その他の注意事項●微量の採血量のため機器にエラーが出ることがあり、再検査が必要になる場合があります。●検査キットの在庫状況や当日の検査数によっては、受診当日に検査ができないことがありますので、ご了承ください。●年齢や病状、治療方針によっては、医師の判断でドロップスクリーンによるアレルギー検査ではなく、一般の採血によるアレルギー検査を行う場合があります。●本検査ではIgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)の適応判断、および投与量決定に必要な血清中総IgE濃度の測定はできません。2023年は花粉の飛散量がやや多く、例年と比較して症状が悪化されている方が多い印象です。毎年2月~4月に鼻汁、鼻づまり、くしゃみ、眼のかゆみといった症状でお困りで、特にこれまでアレルギー検査を行ったことがない方には、アレルギー検査をお勧めしております!症状の原因をはっきりさせ、今後の治療に役立てていきましょう!!ドロップスクリーンについてはこちら☞☞☞筑豊地区初導入!最新のアレルギー検査!!ご不明点につきましては、直接ご来院いただくか、以下までお問い合わせください。お問い合わせTEL0948-28-1122Web予約https://ssc8.doctorqube.com/aso-ent/
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2023.01.20#院長コラム筑豊地区 初導入!最新のアレルギー検査!!このたび、当院では少量の血液で検査可能なアレルギー検査機器を導入いたしました。●従来のアレルギー検査と異なり、腕からの採血を必要とせず、指先から血液が約1滴採取できれば検査が可能です。●花粉や食物を含め、41種類のアレルゲンを調べることができます。●約30分で結果が判明するため、当日中に結果がわかります(検査が重なった場合は翌日以降、もしくは次回再診日の結果説明になる場合があります)。●指先に小さな針を刺すだけで検査ができるため、小さなお子さんや採血が苦手な方でも負担が少なく検査を受けていただけます。●検査には保険が適応されます。●お子さんのアレルギーが気になる、さらには他院でアレルギー検査ができなかったなど、アレルギーでお悩みの方はぜひご検討ください。検査の流れ●問診や診察で花粉症やアレルギーが疑われる方に正確な検査をすることで、適切な治療を行うことができるようになります。●指先に小さな針を刺し、血液を約1滴採取します。●結果が判明した後、専用の結果報告書を用いて結果を説明します。検査実施時間●ドロップスクリーンは検査が終了するまでに30分程度かかるため、診察時間終了間近に複数の方の検査は行えません。●検査をご希望の方は、午前中は12:45まで、午後は18:30まで/木・土は16:30までに受付をお願いいたします(ただし、時間内に受付をしていただいても、すでに検査が混み合っている場合には、後日改めて検査をさせていただく可能性があります)。●同時に多数の方の検査を行うことができないため、ご家族で複数人の検査をご希望された場合は、腕からの採血が可能な方には一般の採血でのアレルギー検査に変更していただくことがあります。検査でわかる項目●以下の吸入系・その他19項目と食物系22項目の合計41項目を同時に調べることが可能です。●食物系は特定原材料7品目、特定原材料に準ずるもの11品目を含みます。●本検査は多項目からアレルギーの可能性のある物質を見つけるスクリーニング検査です。食物アレルギーの診断や臨床経過の判断に用いることは推奨されていません。検査費用3割負担の方で、4,740円となります。※その他、診察料や処方があった場合には処方箋料などが別途必要になります。注意事項●微量の採血量のため機器にエラーが出ることがあり、再検査が必要になる場合があります。●年齢や病状、治療方針によっては、医師の判断でドロップスクリーンによるアレルギー検査ではなく、一般の採血によるアレルギー検査を行う場合があります。●多項目同時測定検査(VIEW39など)全般に言えることですが、食物に関しては疑陽性が出やすいため、食物アレルギーの診断には向いていません。花粉やダニなどの吸入抗原のスクリーニングに適した検査であるということをご理解ください。●当院では食物経口負荷試験や栄養指導、および食物アレルギーやそれに伴う皮膚症状の検査・治療は行っていません。検査結果や症状などから、食物アレルギーが疑われる場合は、精密検査ができる医療機関へ紹介させていただきます。●検査キットの在庫状況や当日の検査数によっては、受診当日に検査ができないことがありますので、ご了承ください。注意事項については、必ず【重要】アレルギー検査についての注意事項もご確認ください。Web検査予約現在、Web予約からアレルギー検査の予約を取得できるよう、システム改修中です。ご不明点につきましては、直接ご来院いただくか、以下までお問い合わせください。お問い合わせTEL0948-28-1122Web予約https://ssc8.doctorqube.com/aso-ent/
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2022.10.23#院長コラム新型コロナ後遺症に対するBスポット療法(EAT)新型コロナウイルスに感染後、隔離期間が終わり、数週間経過しても、嗅覚・味覚障害、倦怠感、疲労感などの症状に悩まされる後遺症事例があります。当院では、新型コロナウイルス感染症を含むウイルス性の上気道炎を発症し、ウイルスが消失した後も倦怠感や疲労感、頭痛などの症状でお悩みの方に対して、Bスポット療法(EAT)を行っています。ウイルスの消失後も上咽頭に炎症が残存しており、上咽頭炎の影響で症状が持続している場合があるからです。◆新型コロナウイルス感染症の後遺症◆●倦怠感・疲労感●のどの違和感●咳・痰●頭痛●集中力の低下●めまい●耳鳴り●動悸・息切れ●嗅覚障害●味覚障害などの症状がある場合は一度ご相談ください。新型コロナウイルス感染症の後遺症についてはまだ不明な点が多々あり、全ての症状に上咽頭炎が関与しているとは言い切れず、Bスポット療法が必ず治癒につながるとも言えません。後遺症に対してBスポット療法が効いたという報告を最近よく耳にするようになりましたが、やってみないとわからないというのが現状です。まずはご来院いただき、各症状に合わせて検査を行い、必要に応じた処置や処方を行います。まずは一度ご相談ください。
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2022.10.22#院長コラムBスポット療法(EAT)について上咽頭とは上咽頭は鼻の一番奥、鼻とのどの境目にあたる部位です。のどちんこ(口蓋垂)の後上方に位置するため、口を開けた際には見えない部分となります。上咽頭は呼吸に伴い空気が通過するため、空気中のホコリや細菌、ウイルスが付着しやすく、炎症を起こしやすい部位ですまた、免疫機能を司る部位でもあります。上咽頭に慢性の炎症が起こると、頭痛、肩や首のこり、のどの違和感、慢性的なのどや鼻の痛み、慢性的な痰のからみ、鼻からのどに鼻水が流れる(後鼻漏)、疲労感、めまいといった様々な症状を引き起こすとされています。こういった症状があり、様々な薬物療法を行っても改善がない場合、慢性上咽頭炎が存在する可能性があります。Bスポット療法(EAT)とは鼻からファイバースコープを挿入し、上咽頭炎の有無を確認します。炎症を認めた場合に、上咽頭に消炎作用と殺菌作用をもつ塩化亜鉛という薬剤を直接塗布する治療法がBスポット療法(EAT)です。実施時間は約1分程度と長くありませんが、炎症を起こしている部分に薬剤を塗布するため、しみるような痛みを感じます。治療効果を確認しながら、まず週に1~2回、合計10回の治療を行います。最初は痛みや出血を伴いますが、治療を続けるうちに、徐々に減っていきます。その後、炎症が落ち着けば、1~2週間に1回で治療を継続することをお勧めしています。◆Bスポット療法で効果が期待できる症状・疾患◆●のどの違和感・痛み、咳、痰●後鼻漏(鼻水がのどに流れ込む感じ)●粘っこいものが鼻~ノドの間にへばりつく●耳閉感●頭痛、頭重感、肩こり、不眠、うつ●自律神経失調症●めまい、ふらつき●その他、膠原病、IgA腎症、アトピー、喘息などBスポット療法を行うことで、様々な症状・疾患に改善や効果がみられた症例があります。しかし、Bスポット療法がなぜ効果があるのかは、確固たる根拠はいまだ示されていません。そのため、各症状や疾患に応じた診療科の治療を継続していただいた上で、補助的な治療法としてBスポット療法を受けていただくことをお勧めします。Bスポット療法の注意点 上咽頭の炎症が強い方ほど、薬剤がしみて、痛みが生じます。痛みは数時間、ときには翌日まで残る場合もありますが、痛みが強いということは、薬剤が効いていることでもあります。痛いからといって治療を中断しないようにしましょう。 治療後に鼻血や血痰(鼻水や痰に少し色がつく程度)が出ることがあります。これは治療に伴う反応であり、しばらくするとおさまりますので、心配ありません。 治療によって炎症が治まってくると、治療時の痛みや出血は少しずつ減っていきます。炎症がなくなると治療時の痛みはほぼなくなります。 症状が改善する程度や改善するまでの期間には個人差があり、状態により内服薬やうがい薬、自宅での鼻洗浄などを組み合わせて行うことをおすすめいたします。 治療をしている期間中、一時的に症状が強くなったり、今までになかった頭重感や顔の腫れなどが生じることがあります。 本治療法は主に上咽頭炎に対する治療であり、前述の症状や疾患のすべてに効果があるわけではありません。また、補助的な治療法であり、ネブライザーや投薬などの現在受けている治療は継続していただく必要があります。 上咽頭はホコリや細菌、ウイルスのほかに、気候の変化や疲労、ストレスによっても炎症を起こしやすいと言われています。治療だけではなく、普段から気温の変化に気を付け、ストレスを軽減するよう生活習慣の改善を同時に行って行きましょう。
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2022.10.11#お知らせ【重要】インフルエンザ予防接種についてインフルエンザ予防接種の予約についてご予約はお電話、またはクリニック受付で行っています。お電話でご予約いただいた場合・予診票を印刷、記入の上、当日にご持参いただける場合は、事前の来院は不要です。予約日にご来院ください。・印刷が困難な方やお手元にない方は、必ず事前にご来院ください。予約券、予診票をお渡ししますので、予診票を事前に記入の上、予約日にご持参ください。クリニック受付でご予約いただいた場合・予約の際に、予約券、予診票をお渡ししますので、予診票を事前に記入の上、予約日にご持参ください。予約状況によっては、当日予約なしで接種が可能な場合もありますので、お気軽にお声かけください。インフルエンザ予防接種で来院いただく際のお願い当日ご持参いただくもの・記入済みの『インフルエンザ予防接種予診票』下記よりダウンロードし、ご自宅やコンビニなどで印刷が可能です。※事前の記入にご協力ください※・来院前の検温ご自宅で必ず検温を行っていただいた上でご来院ください。・診察券当院の診察券をお持ちの方はご持参ください。・接種費用13歳未満6000円(2回分)1回のみの接種の場合は、3300円13歳以上3500円65歳以上1500円(飯塚市・嘉麻市・桂川町在住の方)会計待ちや混雑を最小限にするため、おつりのないよう、ご協力をお願いいたします。予診票ダウンロード予診票(65歳未満の方)☜ココをクリック!予診票(65歳以上の方)☜ココをクリック!インフルエンザワクチン説明書☜ココをクリック!
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2022.10.03#お知らせ2022年度 インフルエンザ予防接種の予約開始!インフルエンザ予防接種についてのお知らせです。10月3日よりインフルエンザ予防接種の予約を開始いたしました。接種対象者:・当院の受診歴がなくても接種が可能です。・年齢制限はありません。!注意!生後6ヶ月未満のお子さんは接種できません。保護者の方やご家族、周囲の方が予防接種をすることで、お子さんをインフルエンザから守りましょう。接種回数:・生後6ヶ月以上~13歳未満☞2回接種*1回目から2~4週間あけて2回目を接種します。*1回目と2回目の同時予約をお願いいたします。*年内の2回接種完了をお勧めいたします。・13歳以上の方☞1回接種ご予約はお電話、またはクリニック受付で随時行っております。予約状況によっては、当日予約なしで接種が可能な場合もありますので、お気軽にお声かけください。なお、予約後にキャンセルされる場合や接種予約日に来院困難な場合は、必ずご連絡ください。連絡がない場合や予約日に来院されなかった場合は、自動的にキャンセルとさせていただきます。一人でも多くの患者さまに接種できるよう、ご協力の程よろしくお願いいたします。
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2022.10.01#お知らせ10月の診療時間変更のお知らせ診療時間変更のお知らせです。下記日程は就学時健診のため、午後の診療開始時間が15:30からになります。・10月5日(水)・10月13日(木)・10月19日(水)・10月26日(水)午前中の診療時間は通常通りで、変更はありません。皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
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2022.04.24#院長コラム点鼻薬の種類とその注意点耳鼻咽喉科では、花粉症・アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、嗅覚障害など、様々な疾患に対し点鼻薬を処方することがあります。今回はその使用法と注意点について解説します。まず、クリニックで処方する点鼻薬には1.ステロイド点鼻薬2.抗ヒスタミン点鼻薬3.血管収縮薬の3つがあります。1.ステロイド点鼻薬当院で花粉症・アレルギー性鼻炎の方に主に処方している点鼻薬です。この薬には即効性はありませんが、1日1回の点鼻で1日しっかり効いてくれる、という特徴があります。しかも、症状を起こす鼻粘膜に直接作用するという意味では、非常に効率のいい治療手段です。ステロイドと聞くと怖いイメージを持たれている方も多いですが、内服薬と違い、点鼻薬は局所的に効果を出し、全身的には吸収されづらいという特徴があるため、使用量を守って使用すれば安全なお薬です。加えて、花粉症治療に特有な眠気もありません。この点鼻薬を鼻づまりがある時だけ使用する方が多いようですが、1回だけ使用しても、すぐに効果は発揮されません。きちんと毎日点鼻することで、数日で効果が出てくることが多いです(一般的には3-5日後)。診察の際に、ステロイド点鼻薬を以前処方されたが、「効かなかった」、「あまり使わなかった」とのお声をいただくことがあります。これは、点鼻薬と聞くと、薬局で売っているものを想像されていることが多いようで、こちらには即効性があるためだと思います(以下の抗ヒスタミン点鼻薬や血管収縮薬が該当)。一方で、ステロイド点鼻薬は即効性がありませんので、即効性を期待して点鼻をしても効果がないと感じてしまうのは仕方のないことだと思います。正しい使用法と注意点を守り、症状をしっかりと抑えていきましょう。鼻の刺激に弱く、点鼻をすること自体が苦手、液だれが嫌という方もおられますが、そのような方にも使用できるパウダータイプの点鼻薬もあります。刺激が少なく、点鼻をした手ごたえがない感じがしますが、効果は液体タイプと遜色ありません。2.抗ヒスタミン点鼻薬これはもともと内服薬としても使われている成分を点鼻薬にしたものです。ステロイド点鼻薬と違って即効性がありますが、内服薬と同様に眠気が出る場合があります。鼻づまりに対する効果は全般的に弱い傾向にあり、ステロイド点鼻薬が主流となった現在では、何らかの理由で内服薬を避ける必要がある場合に使用することがほとんどです。3.血管収縮薬これは鼻の粘膜を収縮させる作用があり、高度の鼻閉に一時的に使用するには優れている点鼻薬です。市販の点鼻薬ではこの血管収縮作用のある点鼻薬がよく売れているようです。本剤には速効性があり、鼻づまりがひどい方には有効ですが、有効時間が短いため、何度も使うことになってしまいます。その上、連用することで有効時間がさらに短くなり、使用回数がどんどん増えていくことでリバウンドを起こし、薬剤性鼻炎を起こしてしまい、逆に鼻閉が悪化します。使用する場合は、1日2回まで、期間は10日程度が目安とされています。当院では、未治療で重症なアレルギー性鼻炎、鼻づまりがひどいタイプの風邪、睡眠時無呼吸症候群でCPAP療法に影響があるほどひどい鼻づまり、手術適応と考えられる鼻閉があるが、様々な理由で手術ができない場合など、限定的な処方としています。点鼻薬の使用法と注意点は上に記した通りですが、最も重要なことは鼻づまりの原因は自分では決してわからないということです。鼻づまりに対して自己判断で市販の点鼻薬を使用していて、効果がなくなってから耳鼻咽喉科を受診したら、鼻茸(ポリープ)ができていたということや、鼻中隔彎曲症などで構造的な問題が原因だった、点鼻薬の使い過ぎで薬剤性鼻炎になっていたということがよくあります。鼻づまりの原因に応じた治療を行うことが最も重要ですので、まずは耳鼻咽喉科を受診し、ご相談いただきたいと思います。それが鼻づまりの改善への近道です。
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2022.03.06#院長コラム20分で結果がわかるアレルギー検査当院では、従来より一般的な静脈採血によるアレルギー検査(血清総IgE、非特異的IgE)を行っています。こちらの検査では結果が出るまでに1週間ほど要します。この度、指先からの簡単な血液採取により20分で結果がわかるアレルギー検査を導入しました。詳しくは以下をご覧ください。アレルギー検査とはスギ花粉やダニ、イヌやネコのフケなど、みなさんが吸い込んでしまう可能性があるアレルゲン(アレルギーを起こす物質)に反応する「IgE」という抗体が体の中にあるかどうかを調べる検査です。8項目のアレルギー検査が20分で判定可能検査の流れ指先から注射器を使用せずに血液を採取するため、小さなお子さんでも簡単に検査ができます。測定可能な8項目以下のハウスダスト系3項目、花粉系5項目の合計8項目について検査が可能です。このような方にオススメ●検査当日に結果を知りたい方●忙しくて、結果を聞くための再来院が難しい方●注射が苦手な方●就学前のお子さん●今まで一度もアレルギー検査を受けたことがない方●自分が何のアレルギーがあるか知りたい方検査費用の目安本検査は保険適用の検査です。アレルギー検査の費用は、3割負担の方で3,000円程度、1割負担の方で1,000円程度です。※その他に診察料、処方箋料などがかかります。参考:詳細はこちら:http://www.allergyinsider.com/20min予約不要で、いつでも検査可能です。ご希望の方は医師、スタッフへお気軽にご相談ください。