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2025.09.25
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フルミスト®とは?注射なしでできるインフルエンザワクチンの効果と注意点【飯塚市・麻生耳鼻咽喉科クリニック】

フルミスト®とは?
注射不要のインフルエンザワクチン

フルミスト®は、鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチンです。注射を使わずに鼻腔へ薬液を噴霧するため、痛みがなく、特に注射が苦手なお子さまにとって大きなメリットがあります。

 

従来の皮下注射型のワクチンとは異なり、フルミスト®生きたインフルエンザウイルスを弱毒化した「生ワクチン」で、自然感染に近い形で免疫をつくれるのが特徴です。これまでのワクチンとは投与方法が異なるため、より高い発症予防効果が期待されています。

飯塚市・麻生耳鼻咽喉科クリニックでも、お子さまの負担を減らす新しい予防接種の選択肢としてご案内しています。

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効果と対象年齢・接種回数

フルミスト®の効果(皮下注射型ワクチンとの違い)

フルミスト®のような経鼻ワクチンは鼻から投与することで、インフルエンザウイルスの自然な感染経路に近い形で免疫反応を引き起こします。そのため、より強力な免疫応答が期待でき、特に小さなお子さまや若年層においては従来の皮下注射型のワクチンよりも高い発症予防効果が期待されています

一方で、従来の皮下注射型ワクチンは「不活化ワクチン」であり、血液中の抗体を増やすことで効果を発揮します。これにより、身体全体でインフルエンザウイルスに対する抵抗力がつきますが、自然な感染経路に近いフルミスト®と比較すると、免疫応答がやや弱いのではないかとも考えられています。

※経鼻ワクチンと皮下注射型ワクチンの効果に関しては、接種する方の年齢や体質、その年の流行株など、様々な要因が関わるため、どちらがより優れているかを判断することは困難です。それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、接種する方の状況に合わせて判断することが重要です。

効果の持続

接種後2週間で効果が得られるとされています。

・年に1回の接種で、効果は1年程度持続します。

接種対象年齢・接種回数

2歳以上19歳未満の方が接種対象となります。それ以外の方には安全性が確認されていないため、接種できません。

接種回数は年齢に関わらず、1でよいとされています。

※皮下注射型ワクチンの場合は特に年齢制限はありませんが、12歳以下では2回接種が必要です。

※経鼻ワクチンは、他のワクチンとの接種間隔をあける必要がないため、他のワクチンの接種歴や接種予定に関わらず、接種いただけます。

メリットと副反応

フルミスト®の様々なメリット

痛みがない

従来のワクチンは皮下注射をするのが一般的でしたが、フルミスト®は注射をせず、ワクチンを両鼻にスプレーをするだけで終わりです。特に小さなお子さまは注射を怖がることが多いですが、このワクチンは針を使わないため、痛みを感じることがありません。

1回の接種でOK

従来の皮下注射型のワクチンは、13歳未満のお子さまに対し、2回接種する必要がありましたが、フルミスト®1回のみの接種で終わります。接種が1回となることで、これまでのように病院に2回行くという手間が省けます。

自然感染に近い形で免疫を作る

フルミスト®は鼻から投与されるため、インフルエンザウイルスが体に入る自然な感染経路に近い形で免疫反応を引き起こします。そのため、従来の皮下注射型のワクチンに比べて、免疫応答が強化される可能性があり、特に小さなお子さまや若年層においては、より高い発症予防効果があると期待されています。

皮下注射型ワクチンはワクチン株が流行しているインフルエンザと異なる株の場合は効果を発揮できませんが、フルミストは生きたウイルスで免疫を作るため、流行しているインフルエンザと株が異なっても、症状を軽症化させる作用があります。

効果の持続が長い

フルミスト®は接種した後、2週間程度で効果が発現し、6か月~1年(1シーズン)程度持続すると考えられています。

フルミスト®の副反応

フルミストは従来の「不活化ワクチン」とは異なり、「生ワクチン」です。副反応として、以下のような症状が見られることがありますが、ほとんどの場合は軽度で、一時的です。

よくある副反応

・鼻水、鼻づまり、咽頭通、咳などの感冒症状(40-50%)
・発熱(数%)
・頭痛・倦怠感

まれにある副反応

・発疹・蕁麻疹
・喘息の悪化
・アナフィラキシーショックやギランバレー症候群のような重い副反応

その他、接種後にインフルエンザを発症する可能性があること、および接種後2週間程度は発症していなくても、インフルエンザ検査が陽性と出る可能性があります。

接種を受けることができない方

1) 明らかに発熱している方 (通常は37.5℃を超える場合)

2) 重い急性疾患にかかっていることが明らかな方

3) 過去に本ワクチンに含まれている成分で、アナフィラキシー (通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性の ひどいじんましんなどを伴う重いアレルギー反応のこと)を起こしたことがある方

4) 明らかに免疫機能に異常のある疾患をお持ちの方、免疫抑制をきたす治療を受けている方

5) 経口または注射の副腎皮質ホルモン剤を使用している方

6) 妊娠していることが明らかな方

7) その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方

接種にあたって注意が必要な場合

1) ゼラチン含有製剤またはゼラチン含有の食品に対して、ショック、アナフィラキシー(じんましん、呼吸困難、血管性浮腫 など)などの過敏症を起こしたことがある方

2) 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患などの基礎疾患のある方

3) 過去に予防接種で接種後2日以内に発熱、全身性の発疹などのアレルギーを疑う症状がみられた方

4) 過去にけいれん (ひきつけ)を起こしたことがある方

5) 過去に免疫状態の異常を指摘されたことのある方、または近親者に先天性免疫不全症の方がいる方

6) 重い喘息のある方または喘鳴の症状のある方

7) 薬の服用または食事(鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のもの)で発疹が出たり、体に異常をきたしたことのある方

8) 発育が遅く、医師、保健師の指導を受けている方

9) 妊娠中または妊娠の可能性のある方 (接種前1か月間避妊していない方)、授乳中の方 10) サリチル酸系医薬品(アスピリンなど)、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸を服用している方

注意事項

・接種当日は過激な運動は避けてください。また、健康状態に十分注意し、体調の変化、高熱などの異常な症状を呈した場合には、すぐに医師の診察を受けてください。

・接種当日の入浴は差支えありません。

・妊娠が可能な方は、接種後2か月間は妊娠をしないように注意しましょう。

・接種後1~2週間は乳児や重度の免疫不全の方との接触を可能な限り控えましょう。

特に接種をお勧めする方

・受験生

・皮下注射型ワクチンで、接種部位が大きく腫れる方

・ワクチン接種をしているにも関わらず、毎年インフルエンザを発症してしまう方

さいごに|フルミスト®をご希望なら当院へ

フルミストは、注射を使わない新しいインフルエンザワクチンとして、特に小さなお子さまや注射が苦手な方に適した予防接種です。ただし、対象年齢や基礎疾患による制限があるため、接種を検討される際は必ず医師とご相談ください。

飯塚市でフルミストの接種を検討されている方は、ぜひ麻生耳鼻咽喉科クリニックへご相談ください。

よくあるご質問

Q01.フルミストは何歳から接種できますか?

【回答】日本では2歳以上19歳未満の方が対象です。2歳未満のお子さまや19歳以上の方は接種できません。

Q02.大人もフルミストを受けられますか?

【回答】成人(19歳以上)や高齢者は対象外です。大人の方には従来の注射型インフルエンザワクチンをおすすめします。

Q03.接種するとどれくらいで効果が出ますか?

回答】接種後およそ2週間で効果が発現するとされています。そのため流行前に接種するのが望ましいです。

Q04.接種は何回必要ですか?

【回答】原則1回接種です。皮下注射型ワクチンのように、13歳未満の方であっても、2回接種する必要はありません。

Q05.副反応にはどのようなものがありますか?

回答】鼻水・鼻づまり・くしゃみ、発熱、のどの痛みなどが報告されています。ほとんどの場合は軽度で、一時的です。

Q06.喘息やアレルギーがある場合でも接種できますか?

【回答】喘息や重度のアレルギーがある場合は接種できないことがあります。事前に医師へご相談ください。

Q07.妊娠中や授乳中でもフルミストを受けられますか?

【回答】妊娠中・授乳中の方は接種できません。皮下注射型ワクチンを推奨します。

Q08.フルミストを接種してもインフルエンザにかかることはありますか?

回答】発症予防効果は100%ではありませんので、インフルエンザを発症する可能性がありますが、発症した場合でも重症化を防ぐ効果が期待できます。

Q09.接種費用はいくらですか?いつから接種できますか?

【回答】当院での接種費用は7,800円(税込)です。101日より接種開始となります。

Q10.予約が必要ですか?

【回答】当日、予約なしで接種可能な場合がありますが、事前のご予約をお願いしています。ご予約はWeb予約お電話クリニック受付で随時、行っています。

文責・監修医師

麻生耳鼻咽喉科クリニック 院長 麻生丈一朗

・医学博士
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・日本気管食道科学会専門医
福岡県飯塚市の麻生耳鼻咽喉科クリニックを継承し、小さいお子さんからご高齢の方まで、世代を問わず、幅広い年代の筑豊地域の患者様へ医療を提供。充実した検査機器による耳鼻咽喉科の一般診療に加え、日帰りでの手術加療も実施し、耳鼻咽喉科として可能な限り幅広い医療を提供している。